ワイヤーカットでPCDの加工をする

PCD 機械加工

仕事でPCD (多結晶焼結ダイヤモンド)をワーヤーカットで加工する機会が以前にあったので気を付けることを書きたいと思います。

一般的にPCDのことをコンパックスという場合がありますがこれは開発した会社の商品名です。

ロー付け作業で注意すること

PCDの超硬へのロー付けで熱によるPCDの材質の劣化をおこさないようにする、材質の劣化がおきているとPCDの表面(ラップ面)が曇った状態になります。

ロー付けの熱によるPCDの材質の劣化が大きいものはワーヤーカットの加工条件が同じでも加工が安定せずPCDの表面がはがれやすく仕上げ面にチッピングが出やすくなります。

ワーヤーカット放電加工で注意すること

ワーヤーカットの放電加工による電解腐食でバインダー材(コバルト)の流出が起きてPCDの材質の劣化が起きます、「PCDの切り出し」→「 ロー付け 」→「PCDの仕上げ加工」の工程がありますが「PCDの切り出し」で早くPCDチップを切りたいがために加工条件が強くしすぎて材質の劣化が進んでいる場合があります。

ドリルの先端にPCDを使う場合はPCDチップの端まで刃になるので「PCDの切り出し」工程の加工条件の差が仕上げ加工に影響を与えることになるので注意が必要です。

ロー付けの熱による材質の変化とワーヤーカットでのコバルトの流出がおこることを想定して各工程で適切な加工の方法を見つけ出すことが大切だと思います。

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